2011年4月11日月曜日

その手をこちらへ伸ばしてください

 月曜日。半分以上眠ったまま、大学へ向かう。
 雑務をこなしながら、ふと、野菜をネットで売ることを思いつき、方法などを調べる。福島だから買わないという人が多いだろうけれど、福島だから買いたいという人もいるはずだ。しかし安全な橋を渡りたい小売店に今は期待することはできない。だが、動くのは今でなくてはいけないのだ。なによりも、こんな状態でも、買いたいと思う人がいるということを農家の方に伝えなければ。絶望させてはいけない。希望が遠くであってはいけない。小さくても確実に手に取れることが今は大事なのではないかと思う。


 業務終了。帰り道、歯医者へ。大きな余震は治療中にきた。いったん待合室へ移動させられる。テレビには福島県の映像。スタッフの方々の和やかな会話がとても遠い。
 治療を終え、新御茶ノ水駅で電車を待つ。ホームは溢れかえる人。みんなの苛々を遮断するためヘッドフォンをつける。こんなときにうってつけの音楽なんてないけれど、逆説的にそのおかげで何を聴いても逃避できる。
 ところで行列に割り込まれやすい人間というのがいる。彼は人と距離をとりたがり、また通行の妨げにならないよう必要以上配慮する。そして彼はそれを意図していることを悟られないよう、周囲への無関心を装う。だから彼はよく割り込まれる。彼は僕だ。今日もまた、割り込まれた。別にいいけど。


 帰宅。実家に電話する。なんとなく、合唱曲のBelieveの歌詞が頭を過ぎる。YouTubeで探して聴いてみると上手すぎたり下手すぎたりでなかなか良いものがない。探した中で及第点のものはひとつだけ。少し笑えて少し染みた。
 感覚が麻痺しているときは、大げさなくらいが丁度なのかもね。

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