2011年7月31日日曜日

解決しない

 アレが我が家のトイレに出た。あの黒い艶やかなアレが。ここ数年味わったことのない絶望をダースで配達された気分。僕はすぐさま戦闘態勢に入り、とりあえず近所の公園に戦略的撤退をした。猛ダッシュだ。
 もういっそ建物ごと燃やすしかないだろうか、とベンチに腰掛けながら思う。しかし、なぜこんなにも僕はアレを恐れなければならないのだろう。
 アレの恐ろしいところは何か。それは、一つでも存在が確認されれば周囲にかなりの数が存在するという推測がされるところである。
 考えてみるまでもなく、僕の部屋はアレが繁殖するのに適している。いわゆる3Kの条件が揃っているのだ。3Kとは【キモイ(家主が)・キチガイ(家主が)・汚い(家主も)】である。この条件を満たしながら今までアレを見なかったことが奇跡なのであって、しかしそのことによってむしろ病症は取り返しの付かないレベルに至っているようにも思われる。絶望。


 しかしだ。アレの存在が確認されたことによって今後3Kが改善されるとは考えにくい。ここは一つ、共存の道を探ってみるのはどうだろう。そもそもアレが恐ろしいというのはアレを駆除する製品を売り出している企業の印象操作である。あれは確かに、普段姿を見せないがいつどこにでも現れうる、という幽霊と同質の恐れられる条件を備えている。それ故あれは恐ろしい存在なのですよ、と宣伝されれば「その通り!」と一気にそんな対象に傾くことが可能だったのだ。だが、もともとアレが忌み嫌われる存在だったのではなく、たしか昔は縁起物として見られていたらしい。それが今では見つかれば殺される存在なのだから、アレとしてもかなり困惑だろう。


 アレを一種の神様として捉えると、面白いかもしれない。昔はみんな貧しかったから、アレもお金持ちの家でしか生存できなかった。だから縁起物として見られた。現代ではアレはほとんどどの家庭でも生存できる。みんな裕福になったからだ。みんなが持っていないときは持っていることが価値のあることとされ、みんなが持っているときは持っていないことが価値のあることとされる。座敷童子が貧乏神になったというわけ。しかし一種の貧富の象徴であることは変わらない。プラスがマイナスに反転しただけ。


 これがもう一度反転するためには、アレが絶滅危惧になるくらいでないと難しいだろう。というかアレが神としての自覚を持ち、自らの生態やら何やらを変化させればいいのにと思う。
 たとえば、アレがメールを送る機能を持ち始めたらどうだろう。ある日メールボックスに見知らぬアドレスからメールが届くわけだ。


 『はじめまして。私はあなたの部屋に住んでいるアレです。いつもたくさんの食料と心地良い住処をありがとう。
  突然のメールにあなたは戸惑っているかもしれませんね。しかし私たちはずっとあなたにお礼を言いたかったのです。ときどきあなたの目の前に現れていたのもそのためです。でも結局あなたを驚かせてしまっていただけでしたけどね。そのことはごめんなさい。
  あ、そのとき私たちを殺したことは気に病まないでください。人間が私たちをどう見ているのかは存じています。それは仕方のないことで、あなたには何の責任もありません。ただ、少し寂しいですけど。
  そういえばこの間子供が産まれました。元気な男の子と、女の子と、とにかくたくさん。私たち一家の数もようやく3桁の大台に乗ることができました。すべてあなたのおかげです。
  とは言え、あなたは私たちのことを見たくないとお考えでしょうから、これだけはお約束ください。決して冷蔵庫の裏を覗かないこと。それがお互いの為です。
  それでは長々と失礼致しました。また、機会があればメールを送りたいと思います。あなたさえよろしければ、ですけれど。


  追伸。食器類は1週間程度そのままにしておいてくださると大変助かります。また食器は陶器に限ります。紙やプラスチックのお皿はあまりエコではないかと存じます。もちろん、捨てずに机の上に放置してくださるのなら私たちとしては構いませんが』


 うん。多分僕だったら殺虫剤をキッチンにぶちまけて三日くらい家出すると思う。探さないでください、ってアレに返信して。


 そんなこんなで公園から帰る足で薬局に寄り、殺虫剤でとりあえずトイレに出た奴は殺しましたとさ。
 お後がよろしいかどうかは、結局奴らの数による。アレの一番面倒な点は、解決というのがありえない点だ。いつでもどこからでも現れる。お祓いすると、他の家に移動するタタリ。始末に終えないのだから、こんな相手、敵視しなければよかったのになーと思う。もっとも、だからこそ商売になるのだろうけどさ。

2011年7月28日木曜日

言ってくれない

 憧れというものがある。生きているうちに一度は言ってみたいセリフ。ずっとポケットに入っているのに、いつも取り出すのは今ではないとためらわれる。ときどき指先で弄んではつい微笑んでしまう、そんなセリフがある。
 例えば私は「クックック」と笑ってみたい。
 勝手に笑っていればいい、と思われるかもしれないが、今の私では全然ダメなのだ。その言葉を発することが重要なのではない。その言葉を発するべき私が、然るべき条件下で発してこそ意味がある。つまり、まず私自身がその言葉を発するに足る人格を形成しなければならぬのである。これはとても難しいことだ。一生のうち、その人に最適な言葉を発することの出来る機会というのはどれほどあるのだろう。それが難しいからこそ、ついに発せられた最適な言葉は多くの人の胸をうつのだと思う。

 ところでいつの世にも天才というものがいる。この場合の天才は、いつでも最適な言葉を出すことが可能な人間である。私の職場にも一人天才がいる。しかし彼女は、けして自らの才を活かそうとしない。それはとても残念なことである。彼女ならいつでも最適な「グハハ」という笑い声を出せるというのに。
 もしかしたら、彼女自身その才能に気づいていないのかもしれない。それならば私がそれに気づかせるべきである。しかしどうやって。

 「Fさん、ちょっとグハハって言ってみてもらえませんか」

 おそらく直後に私の体は壁に叩きつけられるだろう。蹴りかタックルか咆哮いずれかによって。しかしだからといって諦めるには惜しい。彼女ほど「グハハ」という笑いが似合う人間は他にいないのだから。
 そもそも「グハハ」という笑いは非人間的である。超獣軍団を束ねる魔獣にこそ相応しい、とても格好良い笑いなのである。ではまず、その辺を自覚してもらうのはどうだろう。

 「Fさんて、格好良いですよね。その、なんていうか魔獣みたいで」

 これもやはりタックルは免れないだろう。私の見たところ、日本人女性の99%は魔獣みたいと言われたら怒る。もしFさんが残りの1%に属しているならば、とっくに「グハハ」を聞けているのが道理だ。
 では魔獣的キャラの素晴らしさを説くのはどうだろう。「グハハ」の似あう魔獣の特徴を考えてみたい。
 ・役に立たない部下を叱るのが得意
 ・四天王で言うと2番目のポジション
 ・1番目のポジションの奴が主人公に手こずるのを馬鹿にするのが上手
 ・実際主人公と戦う時になると、力に覚醒した主人公の友人的ポジションのやつにやられたりする
 ・命からがら魔王のもとに逃げ帰ると、魔王に殺される
 ・後に魔獣の元部下的な奴が出てきて、意外と部下に慕われていたことが判明
 ・その元部下的な奴が主人公を意外と苦しめる
 ・話のとっかかりは魔獣をやられた復讐劇だったはずが、いつのまにか元部下は意外といい奴的な話になって、最終的に元部下は主人公パーティへ。魔獣のことは有耶無耶に。
 ・いざ最終決戦へ、という段になってなんと魔獣復活
 ・しかしゾンビとしての復活。「イタイ」とか「ニクイ」とかカタカナ語しか喋れない不憫
 ・しかも最終決戦前にパワーアップした主人公に瞬殺される
 ・結局、魔王はひどいやつだ、と思わせるためだけのキャラに
 ・さらに主人公が「あいつは敵だけど悪い奴じゃなかった」みたいなキャラ付けを勝手にし始め哀れ
 ・最終的にファン投票では12票を獲得

 うーん。素晴らしいな。Fさんがこのわけわからんストーリーに実写で参加してくれるなら、ブルーレイで10本くらい買いたい。ブルーレイ再生機器持ってないけど。
 では以上の点を踏まえ説得するにはどうすれば良いか。

 「Fさんって意外と部下に慕われていますよね。百獣の王も真っ青ですよ」
 タックル。
 「Fさんていつから四天王に入ったんですか」
 タックル。
 「Fさん、12票おめでとうございます」
 タックル。

 ダメだ。これじゃ埒があかない。そもそも人語が通じていることさえ奇跡なのだから、これ以上は何も望むなということでしょうか神様。
 いや、ここは発想を変えよう。Fさんは女性だ。今まではそこをないがしろにしすぎていたのだ。女性の喜ぶ言葉。可愛い。そう、可愛い。巷では、可愛いは正義とか言うし、これで押し切るしかないだろう。

 「Fさんって、ゾンビになってもわりと可愛いですよね。よく言われません?魔獣の中で一番可愛いって。ほら、ガハハって笑ってみてくださいy
 多分私はこの世から消されると思う。

2011年7月25日月曜日

パルプンテを唱えない

 もし100万円拾ったら、もしアメリカ大統領に指名されたら、もしサイボーグ手術を受けるとしたら。昔はこういう想像をよくしていたが、いつからかそれをしなくなったことにふと気づく。どうせそんなことは起こりそうもない、などといつの間にか思っていた。しかし実際そんなことが起きた時、想定してませんでした、で良いのだろうか。むしろ昔より今のほうが、そんな言い訳が通用しないだろう。大人だったら明日何が起こっても冷静に対処できるべきであり、だからこそ日々想像を広げておくべきである。環境条件は常に変化する。過去に想像したことがあったとしても、再度想像することは必要である。それが自己のメンテナンスにもなりうるのだ。

 そんなわけで、もしドラクエの呪文がなにか一つ使えるようになったらどうするか、考えてみたい。
 果たして何を選択するのが良いのだろう。


 ・ルーラ
 これは多くの人がまず考える呪文ではないだろうか。ルーラが使えれば通学通勤がめちゃくちゃ楽になるし、どこへ遊びに行くにも便利だ、なんて考える。しかし待って欲しい。本当にあの呪文は日常において便利だろうか。まずは冷静に細かい仕様をみてみよう。
 ルーラは一度行ったことのある場所へ瞬間移動できる呪文だ。だが落とし穴がある。ルーラで指定できるのは町や城単位であって、例えば宿屋に直接飛ぶことなどできないのである。これを現実に翻訳すると、市区町村単位では行き先を指定できるが◯◯ビルの前とかは無理ということだ。そして飛ばされる先は街の入口、すなわち足立区だったら足立区の入り口に飛ばされるということである。僕自身は街の入口は駅の出口、みたいな感覚でいるが、実際ルーラで帰宅しようとしたら足立区と葛飾区の境界にポツンだ。駅まで結構歩くことになるだろう。
 あるかないかで言ったらあったほうが便利に決まっているが、別になくても事足りる。折角の呪文をこれにするのは考えものである。


 ・メラ
 冬場とか暖房に使うとかはありえない。言っとくけど、火って、めちゃくちゃ危険だから。おとなしく毛布にくるまるかエアコン使え。
 実用的な用途としてはライターを忘れたとき助かる、くらいだが、だったらコンビニで100円ライター買え。

 ・ヒャド
 夏場とか冷房に使うとかはありえない。あれ、対象を冷やすわけじゃなくて、氷の塊が出る呪文だから。もし職場でヒャドを使ったら、しばらくは冷えるだろうけど、小一時間もしないうちに机の上びちゃびちゃだから。周りの人ドン引きだから。おとなしく扇風機かエアコン使え。

 ・ピオリム
 素早さをあげる呪文なんだけど、わりといいかもしれない。素早く動けたら、朝駅までダッシュするのも楽になるかもしれんし。けど現実においては朝の歩道って混んでるし、周囲のペースに合わせざるを得ないことのほうが多い。だからピオリムを使った分ストレスを貯める結果になるだろう。オレ素早さ高まったるのに!って。で結局ストレスで寿命が減って素早く死ぬことになるから、あんまり使えないかも。

 ・ホイミ
 これも一見便利そうだけど、大人になってから怪我することなんてほとんどないし。せいぜい足の小指をどっかにぶつけた、とかが年一である程度だけど別にホイミかけたってあの痛みが記憶ごと消えるわけじゃないだろうし。小さい子供のいる家庭では重宝するだろうけど、自分の身近にはそんなもの皆無だし。イラネ。

 ・ニフラム
 自分より弱い相手を光の彼方に消し去る呪文なんだけど、これは殺虫剤としてなかなか良いかもしれない。でも、もし虫を殺せなかったら、これめちゃくちゃショックだと思う。あ、自分、蚊よりも弱いんだ、って。凄い落ち込むと思う。大体強いとか弱いとか、何において言ってるのかわからんじゃないか。でも蚊をニフラムで消せなかったら、自分の何かが蚊に劣っていることが判明してしまうわけですよ。ああ、強さってなんだろうな。

 ・ラリホー
 対象を眠らせる呪文なんだけど、これを覚えれば不眠症の人を寝かせる仕事を立ち上げて一財産得られるかもしれない。でも残念ながらこの呪文、効かないときもあるから。全然寝られなくてイライラしてる人に真顔で「しかしこうかはないようだ」とか言ったら多分ぶん殴られると思う。だからやめておこう。痛いのやだし。

 ・ラナルータ
 昼夜を逆転させる呪文。これさえあれば、出勤してタイムカード押してラナルータ唱える、タイムカード押して帰宅、という超絶に楽な日常をこなせるわけだ。夢のようじゃないか。
 だけどラナルータには二通りの解釈ができるわけで、一つは全世界が呪文によって瞬時に昼夜逆転する解釈。これが正しいとすると、例えば日本でずっとその楽な状況を作り上げ続けたら一週間もしないうちに経済破綻するだろう。それにブラジルあたりの人は全員過労死する。
 もう一つは、僕の意識だけが昼から夜にぶっ飛ぶ解釈。こうなると、三日と経たずに職を失うだろう。うまい話は穴だらけってことですよ。

 ・バシルーラ
 実は大本命。バシルーラをかけられると、対象は異次元に吹っ飛ぶ。素晴らしいね。これさえあればゴミ問題とかだいたい片付くわけですよ。全部異次元に送っちゃう。廃車も大型家電も産業廃棄物もまとめてポイ。
 でも問題はないわけじゃない。もし、異次元に知的生命体が住んでいたら、ということだ。きっと怒るだろう。怒りのあまり次元を超えて戦争を仕掛けてくるのも時間の問題になってしまうかもしれない。それはいかん。
 ここは一つ、まずはバシルーラで手紙を送ってみるのがいいだろう。ハロー異次元人。駄目だ相手にされるはずない。

 ・マホトーン
 相手の呪文を封じる呪文。価値はない。だって誰も呪文なんて使えないし。

2011年7月15日金曜日

繋がらない

 Aは苛立っていた。何に対してなのかわからない。でも、何かに対してぶつけなければならない衝動がずっとあった。このままでは壊れてしまうというとき、自分によく似たBに出会った。だからAは、喜んでBに苛立ちをぶつけた。Bの欠点を見つけるのは簡単だった。欠点を見つけるたびにAはますます苛立ってBにそれをぶつけた。繰り返し繰り返し。でも、いくらぶつけても、Aの苛立ちが消えることはなかった。

 Bは嘆いていた。意味も理由もわからぬまま他人の悪意にさらされて、心も体もぼろぼろだった。このままでは壊れてしまうというとき、自分によく似たCに出会った。だからBは、喜んでCを蔑んだ。Cは自分によく似ているけれど誰にも必要とされていない。苛められてさえいない。何の役にも立っていないCを蔑むのは簡単だった。Cを見るたびに自分の方がましだとBは思った。繰り返し繰り返し。でも、いくら蔑んでも、Bの痛みが消えることはなかった。

 Cは寂しかった。誰も傷つけず誰からも傷つけられない日常の静けさに恐ろしさを感じた。幻覚や妄想がこの空白を埋めてくれるならいっそ狂ってしまいたいと思っていた。このままでは壊れてしまうというとき、自分によく似たXに出会った。だからCは、喜んでXに恋をした。Xのことを愛しく想うのは簡単だった。平穏を崩さず、視線だけがXの姿を追っていた。くり返しくり返し。でも、いくらXを想っても、Cの寂しさが消えることはなかった。

 Xは苛立っていなかった。嘆きもせず、寂しくもなかった。自分が壊れているのか壊れていないのかわからなかった。なぜならそれは元の形と比較した評価であり、元の形なんて幻想だということをXは知っていたから。Xは誰かと出会っても、誰にも興味を抱くことはなかった。淡々と簡単な生活を過ごしていった。繰り返し繰り返し。そしてときどきため息を吐く。これはいつまで続くのだろうと。細く、長く、ため息を吐く。

2011年7月6日水曜日

妄想劇場版

「僕は、大きくなったら、気象予報士になりたいです。明日の天気がわかれば、お母さんも洗濯物で困らないし、遠足のときも安心だからです。そしてみんなの役に立てれば、僕も嬉しいと思うからです」
「はい、良く出来ました。じゃあ次は――」


そうして俺は気象予報士になった。
あの頃の自分がもし目の前にいたら喜んでくれるかもしれない。
けれど俺は笑うそいつの顔面をきっと全力でぶん殴るだろう。
そして教えてやらなくちゃいけない。
「気象予報士にだけはなるな」と――。




【天気予報戦争‐Weather report Wars‐




それは世界の命運をかけて闘った
 予報士たちの三日間の物語――


「そんなっ!このデータからどうして降水確率0%なんて言えるんだ」
「データにばかり頼るな若造!お前の身体はなんのためにある!」


――対立


「春ちゃんが一番可愛いよな」
「小夏ちゃんの足元にも及ばねえよ」
「ロリコン乙」


――友情


「プロジェクトは最終フェーズ、天気告知に移行する」
「待ってください!山田がまだ出張から戻ってません!」
「だからどうした」
「どうしたって・・・、見捨てろって言うんですか!?」


――裏切り


「私は、今から50年後の未来から着たの。・・・この意味がわかる?」
「まさか・・・」


――謎


「報告します!17時時点で、日本中、いえ・・・、我が局を除く世界中全ての機関が曇りのち晴れを発表しています!」
「だが我々の降水確率は覆らん!」
「しかし!」
「責任は私が持つ!・・・世界中に目にもの見せてやろうじゃないか」
「局長・・・」


――そして闘いは


「わかりました」


予測不能の終局を迎える――










「なあ・・・、気象予報士になってよかったって、みんなの役に立ててよかったって、いつかそう思える日が来るのかな」


「そんな日は
    来ないわ」


――Coming Soon