2011年10月2日日曜日

終わりの季節

いつか必ず、終りが来る。いずれ言おうと思っていた言葉、そのいずれがいつか途絶える。言えなかった言葉になる。なった。なってしまった。
その日が来ることの想像はしていた。何度も何度も。でも、そうではない妄想も同じくらいたくさんしていた。もう実現することのない未来になってしまった。

けれどもし、時を戻せたとしても、きっと僕は何も言わないだろう。後悔なんてない。でも他のものも何一つない。全部なくなった。空白。

その空白に何があったっけ。

僕は大人だから、大人の理屈をたくさん持っている。大人の理屈は便利で、心にもない言葉をいくらでも吐き出してくれる。僕から切り離された理屈で僕を動かしてくれる。おめでとうと僕は言える。何もない心なのに。

これはひとつの終わり。今までのすべての終わり。
どうしてこんなに儚いものを、なくなったら他の全部が壊れてしまうような場所に置いていたんだろう。
いや、そうじゃない。他になかったんだ。それ以外になかったんだ。あるいは、それがあったから組み上げることができていたんだ。

明日から、また生き始めよう。今はそれがどんなものか想像できないけれど、一から組み上げていこう。かなわない願いが今日のうちにすっかり綺麗に消えてしまいますように。祈りながら眠ろう。

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